あらすじ、学校が早く終わったのでテスタの家に行こうとするディズィー、メイ、アクセル
帰り際にはスーパーに寄り、テスタ、アクセルの手にはビニール袋がある。

「ここが兄さんの家ですか」
「ふ〜ん結構いい家だね」
「どうでもいいから早くこの手にある荷物を置きたいよ」
家のドアを開ける。新品の木の匂いがしてくるが、この匂いにはどうも慣れない。
部屋を案内し、アクセルから袋を渡され私は冷蔵庫に食材を保管しに行く。
自室に戻ると、メイとアクセルが部屋の本棚の隙間やベットの下やらを探り、ディズィーはただ何も考えてない様に座っている。
「おい、お前ら何をしている」
声に反応して三人ともこちらを振り向く。
「いや〜何かエロ本でもないかな〜とか」
「でもそれらしき本見つからなかったよね」
「人の部屋に来てまず一番にやることはエロ本探しか」
あいにくだがそんな本は無い…ということもないが、無いといえば絶対に怪しまれて面倒になる、あるといえば荒らされる。
こんな設定にしたやつ出て来いって言っても、ここの管理人だよな〜畜生。
ぐぅ〜
誰かの腹の虫が鳴いた。
「はうぅぅぅ〜」
音の主はディズィーだった。
ディズィーは顔を赤らませてうつむいる。
「そういえばもうお昼だよね、僕もお腹空いてしてきちゃった」
「よーし、ここは俺様がひとっ走りしてくるから何か欲しいの言ってくれ、金は後払いだ」
「じゃあ僕お好み焼きにナポリタンとそぼろ弁当、あとドラ焼き」
「私は…焼きうどんとサラダで」
「そーし、じゃ、いくぞテスタ」
言われるがままに付いて行ってしまう。

買出しにコンビニへ行く。それにしてもメイ、いったいどれだけ食べるんだ、いつもこうなのか?おもわず聞いてみてしまった。
「ああ、だいたいそんな感じ、あいつには敵わない」
「そうか」
「そいやあんたってここに来るまで何所に住んでなんだ」
「ああ…それは……」
しばらくアクセルからの質問に答えた。あんまり多くのことを話されるのは嫌のなので一つ一つ長めに話そうとした。
買い物も済ませ、家の近くに着こうとしたところ、何やらそわそわしていて、見るからに怪しい人間を目の前にする。
全身をコートで包んでいて、絶対に何かをしでかそうとしている。
「なぁテスタ、絶対にあのオッサン何かするぞ」
「そうだな」
といっている時に
「キャァァァァァァァァァァァァァァ」
女性の悲鳴が聞こえてきた。急いで駆けつけてみるとそのオッサンはうちの高校の女子生徒の目の前で、うちの制服(セーラー)を着て追い掛け回している。
「あいつ、今日鰤先生が話していた」
「どうやらそのようだな…アクセル、今私が考えている事は分かるか」
「ああ、多分分かる…1、2の、3」
合図と共にテスタのアクセルは同時にオッサンめがけて走っていった。
「グレイブディガー」「アクセルボンバー」(共に素手)
「うぐわぁぁ」
大体10メートルぐらい吹っ飛んでいった。
うちの生徒も無事に逃げた事だ。安心して戻った。
「ただいまー」
アクセルの声が響く、『おかえりー』とディズィーとメイの声が聞こえてくる。
「メイちゃんこれでディズィーちゃんがこれだよね」
頼まれた品々を渡しアクセルも食事体制に入る。
「ただいまー」
「あれ、誰か帰ってきたみたいですよ」
「はひゃくれへっってあへはら」
「口に物を入れながら喋るな」
「母親か」
「いや、妹だ」
「あのー兄さん早く行ったほうがいいんじゃないですか」
何か言いたそうなアクセルがいたが、それを後にして玄関へ行く
「ただいま、なんだか姉妹校が何かとかいって早く終わったけど、お客さん来てるの」
「高校の連れがな」

「ねぇねぇ、あの子なんなの」
「さっき妹とか言ってぞ」
「サキュ!」
ディズィーの声が響くさっきあまり喋らなかった分よく聞こえる感じがする。サキュバスもその声に気付く。
「あ、姉sさん!」
鞄を放って、ディズィーに抱きつく。こうしてみると本当の姉妹のように見える。メイもまざり3姉妹に…。
どうしてまざったのかはさておき、私とアクセルはすっかりカヤの外、私達はその光景をただ見ていた。
しばらくその時間が続いた。
「ねえアクセル、そろそろ時間時間」
「まじか、そんじゃテスタ、俺とメイは先にここを出る」
突然のことでなんのことだか分からないままアクセルとメイは家を出て行った。
そのことについてディズィーに聞いてみた。
「はい、今日は某グループの新曲が発売されるんです。多分それでしょう」
「しかしなぜこんな時間に」
「サイン会もありますから」
「お前は行かないのか」
「私は別に、そんなにファンじゃないですから」
「それより私と兄様に姉さん、これが揃うのって何年ぶりなの」
私にとってはサキュバスがディズィーのことを覚えてる方が気になる。10年前だぞ、だからサキュバスは…5歳か。記憶力良いな〜と普通に思ったりしたりしなかったり。
「10年ぶりですよ、サキュ」
「もうそんなにも時が経ったんだ〜」
二人とも覚えてるな〜、私なんてほとんどと言っていいほど覚えてないぞ。
多分ここから私の出番はしばらくはないだろう。部屋に戻ることした。
ディズィーはサキュバスの部屋に行った。
「まぁ、その辺に座ってください」
とりあえず言われた通り、適当に座りました。
「サキュ、おじさんは元気にしてますか」
「……………」
サキュは、急に黙ってしまいました。
おじさんの事を聞かなければよかった。嫌な予感がし、後悔した。
「父様、死んじゃったの」
周りの空気が重くなった。私は何を言えばいいのか分からなかった、いや、言わないほうがいいかもしれない。
その沈黙を打ち消したのはサキュだった。
「いいですよ、気にしなくても、兄様も居るし、そんなにも生活にも支障はでてないから」
「ありがとう、サキュ」
昔から変わっていなかったのか、今になって思い出す。
兄さん達はお母さんが亡くなったから引っ越したような、気がする、そして父さんはいつも夜遅く帰って来てほとんど顔を見れてなかった。
多分、向こうに行ってもそうだったかもしれない。そう思うと、二人とも親のぬくもりをあまり受けていない気がする。
でもこれが本当だとは限らない、あくまでも推測ですから。
「ふ〜ん、でも大体は合ってますよそれ」
「ちょっと、勝手に人の考えを読まないで下さい…でもなんで読めるんですか」
「え、だってサキュバスだし」
「でもこの物語ではあなたも人間ですよ、一応」
「そうなの?」
そうです、なので今の能力はもう使えません。もちろん鴉変化も
「そういえば姉さんの家ってどこでしたっけ、そこのとこ忘れちゃった」
「私もこの町内で引っ越したんです、そして家はこの家の正面の隣です」
「なーんだ、伊達に幼馴染キャラの設定ってここまでないだろ作者」
作者!とか言わないでくださいよ〜(つД`)
「あれ、兄さんは何所に」
「本当だ、多分部屋にいると思う」
サキュバスもディズィーも、懐かしみのあまりでテスタの存在を忘れていたらしい。黙って部屋に戻ったテスタ自身もそうであるが。 当の本人は
「・・・・・・・すぅ」
テスタメントは慣れないテンションに疲れて寝ていた。
「それじゃあ私も帰るから兄さんに言っといてください」
「はーい、ばいばい姉さん」
といっても正面なので別に見送る事もない。
「さて兄様起こしますか」
その後、テスタの部屋から奇妙な断末魔のようなものが聞こえたとか聞こえないとか…それはまた別のお話



参話に続く



一旦あとがき




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