「兄様〜朝ですよー」 サキュバスの声で目が覚めた、起き上がろうとしたがすぐには起き上がれない。 どごぉ、何かが腹の上、いやみぞおちに入った。正直苦しい。 乗ってきたのがサキュバスと分かるのには1秒もかからない。 「兄様、いつまで寝てるんですか、早く起きてください」 「じゃあ退いてくれないか、それに苦しい」 退いた後でもみぞおちの痛みが引くまではなかなか起き上がれない。 「早く起きてよね、私先に御飯食べてるから」 ・・・なんて朝は存在しないのでカットです。 「ねぇ、私の出番これだけ?」 さぁ 私は今………机で寝ています。 「おっきろーテスタメント」 アクセルに背中を叩かれて起きた。 「何寝てるんだ、飯食うぞ」 「あれ、もう昼休みなのか」 「そんなんじゃなきゃ飯なんて食わないって、学食行くぞ」 「いや、それはいい」 テスタメントは自分の鞄から小さな風呂敷に包まれた箱を取り出し、それをアクセルに見せた。 「え〜と、何だ、つまり『弁当があるから学食はいらない』ということか」 「まぁそんな感じだ」 「なーんだ、じゃメイちゃん行こうか」 「う〜ん、まぁいいか」 アクセルとメイが教室から出ていき、食堂へ向かった。 風呂敷をほどこうとしたら、今度は隣からディズィーの声がした。 「兄さんもお弁当なら一緒に食べましょう」 それに対しては問題ないが、ディズィーは半目で、体が前後に大きくフラフラしている。 どうした、と聞きたかったが、目を擦っているところから、 (こいつ寝てたな、この様子だと多分授業中からだろう) なぜ寝ていることに気づかなかったのかが不思議に思える。 ディズィーも机から弁当箱を取り出した。 「それじゃ、食べるか」 風呂敷をほどこうとしたら、横から手が伸びてきてほどこうとした手が止められた。 「どうした、ディズィー」 「お昼にいい場所があるんです。そこで食べましょう」 ディズィーは弁当を持ち、教室から出た。 「あら、今日は私抜きなの?」 妙に上品な声が聞こえた。ふり向くと金色の髪をなびかせながら弁当箱をつまんでいる女子生徒が居た。 確か名前は・・・。 「ミリア、ミリア=レイジよ」 少し悩みかけた私を見てすぐに言ったらしい。そのせい、多少怒らせてしまったようだ。 「あ、ごめんなさいミリアさん、ちょっと忘れてました」 誘い忘れたディズィーが半笑いをしながら謝った。 「ま、あなたらしいことなんだけどね」 くす、と笑みを上げ、ディズィーの頭を撫でている。 「それじゃ、行きましょか」 そして、私たちは教室を出た。 階段を上り、一つの扉がある。ディズィーがそのドアを開ける。 キィィ、とお音を鳴らしてドアが開く。ドアの隙間から光が漏れる。 外に出た。空には雲ひとつ無い快晴だ。 「屋上か」 はい、と明るい声で返される。 「やっぱりご飯は外で食べたほうが美味しいですよ」 「そうか」 周りの金網を背もたれとして座り、風呂敷をほどく。右にディズィー左にミリア、座る。 なぜ私がこの間に居るのかと不思議に思う。端の方がよかったんだが。 とりあえず弁当箱のふたを開けると、 「あ、卵焼き」 ……ディズィーはお母さんにお菓子を買ってと願う目で私と弁当箱を見ている。 やめろ、私はそんな目で見られる歳じゃない 結局、卵焼きはディズィーにあげざるおえなかった。 「おいひいれふ〜」 満面の笑顔を浮かべながらディズィーは卵焼きを口いっぱいに頬張っている。 そんなにも好きなのか、卵焼きが。 次に自分の弁当箱も開けた。 そーっと中を見てみると、オカズ一面がほとんど卵焼きだ。 しかもそれぞれバリエーションが違う。 「そんなにも好きなのか、卵焼き…」 「はい、大好きです。卵焼は神様の恵みです」 そんな神の恵み嫌だ!! 「よく飽きない事」 さり気にミリアのツッコミも入る。 何の会話の無いまま、昼食が終わる。 「ところで、兄さんは部活とは入るんですか」 「特に決め手はいないんだが」 「それじゃあ私たちの入っているとこに来ませんか」 「大半がうちのクラスなのよね、私もそうだけど」 「目的とした物は無いんですが、運動部の助っ人やったりとかで…簡単にいうと校内とかの何でも屋さんみたいなとこです」 「する事が無かったら駄弁っていたりしているだけの溜まり場なだけ」 そんなむちゃくちゃな部活が合っていいのか。 私はすっかりペースは二人に乗せられていた。 『ジェーリーフィッシュに入りませんか』 はもった、それにいつの間にか勧誘されている事に気付く。それに、なぜくらげなんだ。 少なくとも、部活も何もやっていない入りかはまだましか。 私は【ジェーリーフィッシュ】という部活(?)に入る事にした。 「じゃあここに入部届がありますから名前書いて下さい、はい鉛筆」 ・・・どうやら最初から入部させるきだったようだ。多分断る権利は無かっただろう。 そして放課後 「それじゃあ行きましょうか」 ディズィーに連れられて【クラゲ部(通称)】へ向かう。 クラゲ部と書かれ教室の前に着き、一緒に部室へ入った。 人の気配がしない。 誰も居ないようだ。隠れているようでもない。 部室の周りを見ていると…サッカーボール、バスケットボール、テニスラケットなど、色々な球技の道具がある。 「ディズィー、ここは一体どんな部活、何が目的な場所なんだ」 「え〜と…簡単に言えと学校内の何でも屋さんのような所です。他の部も手伝ったり」 「そ、そうか」 これが部活だというのか、もうどうでもよくなってきた。 深く考えると頭が痛くなるだけだ。 「あれ、あなた達もう来てたの、早いわね」 ミリアが入ってきた。 「ちなみにミリアさんはテニス部でもないのにテニス部部長より強いです」 「なんだそれは」 その後次々と部員が入ってくる。 メイ、アクセル、カイ、ソル、…うちのクラスばっかだ。 「ところでこの部活の顧問は誰なんだ」 「あ、それは」 「よーし皆集まったな…」 「あれです」 グラサン教師ここに現る! 「おまえさんが新入部員のテスタメントか、俺が顧問のジョニーだ。ヨロシクゥ」 随分と軽い挨拶だな。かたっくるしいよりかはいいが 「早速だが、緊急の依頼がきている」 ここはどこかの組織か、と言いたくなる 「変な生き物が校内に侵入したのでこれを見つけ出して欲しい、だ」 本当に何でも屋さんだなここは 「テスタ君、人が喋る度に突っ込むのはよくないぞ」 「人の心を読まないでください」 「早く生徒に被害が出ないうちに見つけ出しませんか」 「おおそうだったな、さすが部長のカイ、それじゃ後は各自の行動にまかせる」 かくして『未確認生物捜索部隊』が作られた 続いてしまします。 |
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