ピンポーン。
お昼の二時辺り、テスタメントは玄関チャイムで目を覚ました。
時計を見て誰が来るかは検討が点いたのでゆっくりと起き上がった。
「にいさーん、いますかー」
確定、絶対あいつだ。髪を軽くはたいて玄関に向かった。
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポーン。
「五月蝿い!」
勢い良くバッと扉を開いた。
扉の向こうにはビックリしたディズィーが目をキョトンとして、指がインターホンから離れておらず。その指はゆっくりと動き出し。
ピンポーン
「こ、こんにちは」
顔がまだビックリしたまま返事をした。
「何回押した」
「40は超えたと思います」
40・・・私が聞いたのでも10回近くだったような気がする。
寝ていたのか。ずっと寝ていたのか。
それならサキュバスが出ると思ったが、あいつは何やっているんだ。しかし40も押させた責任は寝てた私にあるが。
「早く入りましょ」
ひょっこりとディズィーの後からミリアが後から現れた。
その後からどんどんとクラスメイトが出てきた。
「それで、集まったのがこのメンツか」
テスタメント、ディズィー、アクセル、カイ、ミリア、アバ…アバ以外皆くらげ部じゃないか。
そんなことはさておき(おい)メイは急用で来られなくなった為今回は欠席。
ぞれぞれテーブルの周りに座って持ってきたお菓子やジュースを取り出した。
「それじゃ、テスト終了を祝いまして、カンパーイ」
「カンパーイ」
アクセルの仕切りで小さな祝祭が行われた。
コーラをお酒の替わりに仕立てて一気飲みをしたりよった振りをしたりなどで盛り上がっていった。
ノリは宴会だ。
「よし、そろそろ一発芸でもやっていくか」
「面白そうですね、やってください」
「お・・・俺からなの」
「言い出しっぺからだろ、こういうのは」
全員の目線がアクセルに集中する。誰一人とも動かず、じいーっと見ている。
一呼吸置いて覚悟を決める。
「一番アクセル、高速移動、行きます」
おおー、と室内が盛り上がる。
「どーこ見てんのさ!」
ぶわっとアクセルは飛んだ。
ディズィーとミリアとテスタの髪をなびかせて、一瞬にして向かい側にいるカイの後ろの回りこんで着地した。
「じゃじゃ〜ん」
拍手と歓声に浴びたアクセルは調子に乗ってもう一回高速移動(S雷影鎖撃)をやって元の位置に戻った。
「続いて二番、ミリア暗さ…」
そんな恐ろしくて本編ネタ持ってくるのやめてください。それに一体誰をターゲットにするつもりなんだ。
「もちろんこんなくだらない事書いている作者に決まってるでしょ」
・・・・・やめてください。
「三番アバ、力持ちになります」
すくっと立ち上がり、アバは手を後ろに回して、輸血パックのような物を取り出し、思いっきり地面に叩きつけた。
バシャ!っと叩きつけられたパックは当たり前のように破裂し、赤い液体(以後血)が辺りに飛び散った。
「うわ!カーペットが!」
驚いたテスタをよそに血は不思議な事にアバに吸い込まれていくように付着する。カーペットが血まみれになるという状態にならなかったことに安心したテスタはホッと胸に手をかけた。
「うををおおおおおおおおお!!!!!」
とんでもない雄叫びが発生した。もちろんアバのものだ。
辺りをキョロキョロと見始めた。何かを探しているようだが、その目的のモノが見当らなかったらしく、ゆっくりと腰をおろした。
「・・・アバちゃん、今ので終わり…だよね」
「はい、夫がいればパフォーマンスもできなんですが」
夫=でっかい鍵(斧)
「その夫を使って、何をしようとしたんですか」
「ブンブンと振り回したり火を吹いたりしようとしたの、でもよく考えたら危ないね」
「よく考えなくても分かりますよ」
右手で頭を抑えたカイのツッコミが入る。そしてここにいる全員がパラケルスの存在が無かった事に安心をした。テスタはもう寝込みそうになった。
「四番カイ=キスク、一人フンフンディフェンス」
「声優ネタか、しかし数ある草○さんのキャラでもってきたのがコレなのか」
「………ホアッチャー!!」
バリーンと窓ガラスを飛び蹴りでぶち破って入ってきたのは、まだ紹介も何もしていない紗夢だ。初登場がこんな形になるとは。
「あんなモノをカイ様にやられるなんて、○渡が許しても私が許さないアル」
と言う事で、紗夢の希望により、カイのフンフ(略)はカットさせていただきました。残念です。
壊された窓ガラスは作者パワーで修復完了。便利だねコレ(最悪)
f…を終えた頃にはカイの息はぜえぜえと切れていた。
「五番テスタメント、ベースでBloodstained Lineageを弾きますいます」
「あ、六番ディズィー、キーボードで一緒に演奏します」
唐突に発してきたディズィーに皆が驚いた。
「ディズィー、あなたそんな事できた」
「はい、できます」
ニコニコ顔でミリアに返した。その表情には『◇』に近い形のキラキラが散りばめられている感じだった。
「ま、眩しい!」
そんなコントの隙にテスタは自室からベースを持ち出してきた。
コードをセットし、ジャーンと音のテストを始めた。一応近所のことを考えて音は抑えておいた。
運び屋としてアクセルとつれてディズィーは急いで自宅(向かい側)からキーボードを持ってきて、テスタの隣にセットし始めた。
「二人とも何でそんなの持ってるの」
不思議そうに思ったアクセルが聞いてみた。
「向こうにいたときに古い物を貰った物だ」
「私はお母さんが置いて行ったから今でも家にあるから」
そんな個人で買えるほど裕福な生活なんてできるわけが無い。
「最初のイントロはどうする」
「改良された方の無い方でお願いします」
準備も済んだところで、その小さなライブが始まった。
中盤ではもう二人はノリノリで違う世界にのめりこんで、多少の苦情がでても絶対に止められない状態になっている
突然の二人での演奏はいきなりであったが、上手く息が合って無事に演奏は終了。パチパチパチ、と拍手が上がりなかなかの好評を得た。
「それじゃ、片付けるか」
ベースも部屋に戻して、キーボードが運ばれている間、二階からバタバタと階段を走り降りてくる音が聞こえた。
「あ、もう終わっちゃったの」
あたりまえだが、サキュバスだ。
「ああ、ついさっき終わった」
「アンコールがったら飛び入りで歌おうと思ったのに、歌える曲だっただけれどね」
どうやら演奏中に目が覚めたらしく、急いで支度した所だったみたい。
サキュが座り込んでふてくされた。
「誰ですかこの女性は」
そばに来たカイが、話してきた。
「そういえばまだ話してなかったな。妹のサキュバスだ」
「ミリアさんの目がおかしいよ」
そう言われてミリアの方に目を向けた。
…あきらかに目がおかしかった。その目はデパート等のおもちゃ売り場のウィンドウを見る子供の目に近いものだ。
あの細く、鋭い目つきなんて米一粒分も残っていやしない。
ターゲットは座り込んでいるサキュバスにある。
こっちに連れて来ようとしたテスタが急いで向かう。
しかしそれも無駄、ミリアの方が速く、テスタが数歩進んだ所でミリアはサキュバスに抱きついた。
「この子かわいい〜♪」
…何、このキャラ、ミリアだよな。クールキャラぶち壊し。
大きなぬいぐるみを抱きしめている用に抱きつかれたサキュは全く状況が把握できずに軽いパニックが起こっている。
「兄様、この人誰ですか」
「…クラスメイトだ」
そこでディズィーとアクセルが戻ってきた。二人ともすんなりと状況は把握できた。
我に返ったミリアはゆっくりとサキュバスを放し、ごめんね、と両手を合わせて謝った。
幸いサキュバスは不機嫌にはなってはいなかった。
いや、むしろ好感触、後ろに振り返ったミリアに飛びついた。おんぶをしている状態になっている。
「お姉さま〜」
「…かわいい子」
二人だけの世界にどっぷりとはまった二人。それ以外のメンバーは、信じられない顔をしながら見ている。
そして思う。これはもう止められないと。
「兄さん、ミリ×サキュ(?)ですよ、珍しいですよ」
なにハキハキとした声で言っているんだこの娘は。たしかに作者の現状況では見たこと無いものだが。
ゴソゴソと、カイはポケットから一枚の紙切れを出して、それを読み始めた。
「資料によりますと、作者は今『マリア様が見てる』にはまっているらしく、それにあわせるために某キャラをミリアさんに当てはめて、数人の女性キャラからアミダクジによる抽選でこうなったようです」
「つまり、絶対にこのネタはやりたかってっことか」
「そうよね」
「さらに詳しくしますと2004年11月にはまり、現在(2005年4月半ば)には最新刊まで読んだようです」
「これは早いのか普通なのか遅いのか、どうでもいいな」
どうでもいいですよ。さっさと本編に進めやコンチクショウ。
「後は…」
もういいから早く進めやお前等!!!!!!!!!!!!!!
そのあとサキュバスも騒ぎに参加してまた続けられた。
気が付けば時はもう9時を回っている。部屋では二人組みなどに分かれてそれぞれ話題で会話が行われている。
こんなにも長くいれるのは明日が土曜休みだからだ。
「う〜ん、それじゃそろそろお開きにしますか」
伸びをしながらアクセルが言った。
「そうね、お腹も空いたし」
「パラお腹すかせてるかな〜」
「私もそろそろ帰りますか」
時間も時間だしな、…ひとりだけ声が無いぞ。
辺りを見回すと隅のソファーでぐったりと横たわっている。
「何があったのですか」
近くの机にソファーには一つの缶がおいてある。その缶を見てみると。『チューハイ』と書かれている。
これを飲んで酔いつぶれたのか。
「アクセルさん、飲み物を買ってきたのはあなたですよね」
「いや、冗談で1本だけ買っちゃって」
引き気味のアルセルをカイはどんどんと追い詰める。ついには説教が始まった。
長くなるのでカットさせていただきます。
終わる頃にはミリアとアバは先に帰って、その後にアクセルとカイも帰宅する。
テスタとサキュバスは寝ているディズィーを後にして部屋の片づけを始めた。
「・・・ん、おはようございます」
寝ぼけてるのか、今は夜だ。
「おはようじゃないだろ」
「皆は」
「お前が眠っている間に帰ったぞ」
「そうですか、それじゃ私も失礼します」
まだ半分寝ている状態でリビングから出て行った。
「さて、片付けの続きだ」
片付けも終わって、ソファーで一息つく。
サキュバスが冷蔵庫から缶茶を2本出したので、その1本を受け取った。プシュっとタブを引き開け、ぐいっと口に含む。ほんの一口のつもりだったが、気付いた時には半分以上も飲んでいた。残りもすぐに飲み干して、缶を捨てる。
「兄様お腹減った〜」
「よし、作るか」
いつもなら分担するはずだが、どちらもお腹が空いていたので共同作業にして早めに作ってしまおうとした。
食後は部屋に戻り、着替えを持ってシャワーを浴びようとした。
「うわぁ!!!」
テスタは自室で大声を出した。
驚くのも無理は無い。電気を点けたら帰ったはずのディズィーが自分のベッドで寝でいるからだ。
「兄様、何があったんですか」
部屋に入ってきたサキュバスもベッドの上を見てビックリした。
多分あの時の酔いと寝ぼけてこうなったと考えられる。いま無理に起すのも可哀相なのでテスタはせめてタオルケットを掛けて。自分の布団と寝間着と服を持って部屋から出た。サキュは部屋に戻った。
シャワーを浴びた後、テスタは持ってきたソファーで横になり、もってきた布団を掛けて眠りについた。

太陽の日差しでテスタは眼が覚めた。上半身だけをおこし両手を上げて伸びをする。時刻は8時
洗面所に行き、顔を洗い眠気をとばす。寝間着を脱ぎもう一つの服を着る。
まだ二人とも起きていなく、テスタは台所に行き朝ご飯を作りに行く。
メニューは、白米、味噌汁、目玉焼き、日本食とした。
味噌汁の香りに誘われてサキュバスが降りてきた。後ろにはディズィーもいる。
「あ、おはようございます」
控えめにあいさつをする。
「あと2分ぐらいでできるから、そこに座ってろ」
「はーい、さ、姉さん座ろ座ろ」
できるまでの数分でサキュバスはディズィーに昨日の出来事を教えた。
「お酒飲んじゃったんですか」
「そうそう、それで兄様の部屋で寝ちゃったわけ」
一度ソファーで寝て、そのあとテスタの部屋に向かうまでの過程は覚えていない。
テスタがご飯を持って来る時、ディズィーはテスタに向かいペコリと頭を下げた。
「ほら、冷めるぞ」
それぞれの前にご飯が置かれ、いただきますと言い食べ始めた。
「…美味しい」
ディズィー手には味噌汁の入った器がある。
食後、彼女は一礼をして自宅へ帰っていった。片付けはサキュバスに任せて。テスタは自室で途中掛けになっている小説を読み始めた。

次回は八話で新展開・・・があったらいいな。

あとがき



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